#13 マッチングアプリ①

Tinderをやっていた。言わずと知れたマッチングアプリである。ヤリモクの人が殆どと言われており、知り合いのアカウントを見つけると最も気まずいアプリでもある。実際自分も、高校の同級生女子を見つけたことがある。

マッチングアプリあるあるか分からないが、自分の場合はアカウントを消しては入れ、消しては入れの繰り返しだった。課金しては後悔し、マッチしては喜び、約束を取り付けたと思ったら返信が来ない。でも結局また再度インストールしてしまう、魔のアプリ。入れたら入れたでスワイプをするマシーンと化し、まさに「レンタルぶさいく」さながらだった。

2024年の末に何度目かのインストールをし、懲りずに課金をしてスワイプをしまくった。入れ立ての頃は何人かからいいねが来るから、そのいいねをただ返す作業。「マッチありがとうございます」「土日休みですか?」「休日って何してますか?」。やり取りはテンプレ、楽しくもない。マッチングアプリは鮮度が大事だから、即日会える相手を探すのもまぁ有りだとは思って、「今夜暇な人」カテゴリも一応漁る。現に自分も、マッチして二時間後に会ったことがある(可愛らしい方だったが、まぁ話題が盛り上がらなかった)。そして逆に、マッチした相手とやっぱり会いたくなくてブロックしてしまったこともある(とんでもなく申し訳ないことをしました)。

さて、今回は約二週間でメッセージのやり取りが途切れないマッチが5件程度。いつも大体このくらい。マッチした件数の1/4は会話が続かないか、ある日アカウントが消えているか(消したかブロックされたか)。年齢は30歳+αくらいの年齢の方が多い。まぁ自分も30歳だし妥当かなと思っていると、23歳の方とマッチ。しかも相手からいいねをしてくれた。こんな奇跡はないだろうとすぐメッセージを送る。

「寒いのでしゃぶしゃぶでもいかがですか?」

するとどうだろう。「いいですよ!」と返信が来て、あれよあれよと日程と場所が決まったではないか。この時点で嬉しさと懐疑心が50:50。写真を見ても、いくらでもイケメンとマッチできそうな感じの「ザ・いまドキ女子」がなぜ自分なんかに?でもまぁいい。何事も経験だ。もしもドタキャンされたら、しゃぶしゃぶのお金でjkリフレに行って、リフレ嬢のおま●こを舐めまくろう、、そう思って日々を過ごしていった。2日に一回程度のメッセージだろうか、別に盛り上がらない話題が続いている。

そして前日。店が確定(この時点で割とどちらでもよくなってしまい、リフレ嬢の出勤を確認したりしていた)、新宿だ。新宿にしたのは、自分でも分かるラブホがいくつかあるから。それに尽きる。絶対セックスはできないだろうけど、万が一があるではないか。18時に新宿の東南口で待ち合わせをし、しゃぶしゃぶの店を予約、、、、、、せずに寝た。当日の朝メッセージをして返信がきたら、そこではじめて彼女を信用して、予約をするつもりだった。

当日。なんだかんだメッセージは続き、なんだか会えそうな予感。ただやはり何故かイマイチ信用できず、結局14時に予約をした。新宿とはいえさすが日曜の夜。全然問題なく予約することができた。

16時になり、自宅でシャワーを浴びて清潔なパンツに穿き替える。髪をセットして、クリーニングに出した服を着て、軽く香水もつけてコンタクトをする。そんなことをしていたらあっという間に17時だ。コートを羽織ってマフラーを巻き、いざ新宿、、の前にセブンイレブンでPayPayをチャージ。しゃぶしゃぶの店の金額は二人で合計1万くらいだから、+αで入れておく。クレカでステータスを測られたくないし、失敗したデートの請求が1ヶ月後にくるのは虚しい。だからPayPayを使える店にした。

電車に揺られること20分余り。少し早く新宿に到着して待ち合わせ場所を下見。いつもなら人でいっぱいだけど、心なしか人が少ない気がする。エスカレーターの下付近で待機して、上から相手が見つけて、「帰ろう」と思ったら帰れる場所を指定した。別に優しさではなく、お互いの不幸を極力避けたいだけ。

時間になると、彼女からメッセージが。「着きました」。いよいよ、いよいよご尊顔との対面である。