#6 古本屋

平成中期(そんな言葉があるかは知らない、ざっと2006~2012年くらいの話と思っていただければ)に思春期を迎えた者にとって、「街の古本屋」は性欲を満たすアイテムが手軽に購入できるありがたい存在だった。古本屋といってもブックオフのような大手チェーンではなく、限りなく個人経営に近い小規模な店のこと。マンガ本は勿論のこと、いつの時代に発行されたのかわからない学術書に、昨日発売されたばかりの週刊誌。そして大量の成人向け書籍、DVD、VHS…。こういった店は大抵店内の半分のスペースをアダルトコーナーにしており、異様なピンク色を放っている。暖簾で隔てられているところもあるが、殆どは開けっ広げ、誰でも入ってよいといった風に剥き出しのエロ本が置かれていたりする。

中学生の頃から近所の古本屋に通いつめ、学校に着替えを持参しては「制服ではない格好」で、エロ本を買い漁っていた。一冊およそ250円くらいだったろうか(エロマンガは古本でも結構高く、500円はした記憶がある。安いエロマンガは絵柄が古くて興奮できる代物ではなかったので、エロマンガを購入するときはいつも購入まで相当な時間をかけて悩んだ)。初めてAVを購入したのも、そういえば古本屋だった(二宮沙樹の桃太郎映像?のやつ)。初めてエロ同人誌を買ったのも古本屋だったし、中学生の時点で数万円はおかずにお金を費やしていたと思う。

当時からエロコンテンツは無数に溢れていたものの(カリビアンコムもあった)、自分の携帯電話もパソコンもなかったので紙媒体のエロが頼りだった。これだというものに出会えたときの悦びは大きく、汚いオジサンたちの隣でエロ本を吟味しているときは、大人の仲間入りをした気分にもなった。

高校生になっても変わらず古本屋巡りは続いた。定期券という魔法のカードをゲットしたので行動範囲は広くなり、古本屋探しに熱が入った。

しかし当時(2009年ごろ)から前述のような「街の古本屋」は姿を消しつつあって、ついこの間足を運んだ店がひっそり畳んでいるなんてことも少なくなかった。悲しいが、古本屋の需要は減ることはあれ増すことはなかったのだ。かくいう自分は、マイ携帯電話を持つようになったが、パケ・ホーダイに加入を許されてはいなかったので、動画コンテンツを無制限に観ることは叶わず、親がいないときを見計らってPCからダウンロードした動画データをせっせとMP4に変換しては己のウォークマンに移す程度だった。つまり、紙媒体のエロは依然、ありがたい存在だったのだ。

話が長くなったが、つまりなにが言いたいかというと、自分は古本屋でエロを漁ることが大好きということだ。いま(2023年)となっては本当に見かけなくなってしまった。

そんな中、池袋にある「光芳書店」はありがたい。店の半分はエロでできており、そのエロの中には昔の週刊誌(プレイボーイ、フラッシュ、フライデー)なんかも混じっている。いまは流石にエロ本を買おうと思わないが、思春期に通ったグラドル、AKBが表紙の雑誌は欲しい。なぜならぶっかけに最適だからだ。お目当ては井上和香大島優子宮脇咲良といった辺りだが、店に置かれている雑誌の年代がやや古く、見つけるのに四苦八苦した。およそ小一時間ほど物色し、気がつけば手には何冊も抱えていた。

中学生のようにガチガチに勃起しながら会計を済ませ、2600円を支払う。今すぐにでも舐め回してズボンからちんぽを取り出したかったがグッとこらえ、近くのデパートのトイレで戦利品を眺めながら声だしオナニー。高級ブランドのテナントがいくつも入っている建物の中、こんなみじめな行為をしているのは自分くらいだ、異常者だ、負け犬童貞だ、、そんなことを思いながら「あっ、優子イグッッッ、、」と叫び無事射精をした。

久しぶりにするとやっぱり楽しい古本屋おかず探し。良さそうなところがあれば是非情報をご提供ください。(※神保町エリア除く)